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活動日誌

活動日誌について

今話題の科学情報やイベント、技術などについての話し合いや考察を、レポート形式でまとめて配信しています!学生ならではの視点でまとめているので、理系の知識が少ない人にも、解りやすく解説出来るように日々つとめておりますので、お気軽にご意見・ご感想を頂けますと幸いです!

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二次電池の未来と問題

未来の車と社会

未来の車に使われる二次電池の開発は、今後どのようになっていくのでしょうか。智恵先輩が作ってくれた図を参考に、二次電池の未来と問題を考えてみました。(幾何伊明花)

対話

report of

うー・・・・
どうしたの?
めかちゃん
どうしたも
こうしたも
ないですよ!
先日、学校から出た課題で
電池についてのレポート
書かなきゃいけないって
話したじゃないですか。
ほうほう
それがどうしたの?
提出、来週中なんです!
わー!
大変だね!
がんばってね!
がんばってって・・・
そもそも前回文子先輩
よけいな質問ばっかりしたせいで
全然詳しい話題に入れなかったのも
原因ですよ。
ふぇ??
そんな・・・!
おいおい。
人のせいにするのやめろって。
忘れてためかも悪いだろ?
そうだそうだ!
勉強不足の文子
どうにかした方が
良いと思うけどな
ふぇ・・・!
ふふふ、じゃあ
今日は二次電池について
すこし未来を見据えた
お話をしましょうか。
先日の話
覚えてるかしら?
二次電池の使い分け
はなしですね!
そう。
それぞれに
短所長所があるの。
この図、先日
私が読んでいた
論文を参考に
作ってみたのだけど。 【図1】
あの膨大な論文ですか・・・!
この図1
どうやって見るんですか?
表に楕円が配置されてますね・・・
これは横軸エネルギー密度の対数
すなわちどのくらい
エネルギーを蓄えられるかで
縦軸出力密度の対数
すなわち一度にどのくらい
電気を放出できる
ですね。 【図1】
そうね
さすがめかちゃん
範囲が楕円
なっているのは
同じ二次電池でも
開発したメーカーによって
質に差が出てきてしまうの。
そういったことも含めて
理論的に計算されて
算出された範囲なの。
なるほど!
これくらいすぐ解りますよ。
文子先輩とちがって。
おいおい。
すぐ絡むなって。
むむむ・・・・
じゃあじゃあ、この図1
に行けば行くほど
一度に放出出来る電気が高い
ことを示しているし
に行けば行くほど
ためられる電気の量が多い
ってことですよね?
そう、ね。
そしたら、この右上にある
リチウムイオン二次電池
一番優秀なんじゃないですか? 【図1】
ふふふ、そうね
この図だけで判断すると
現在の技術では
自動車用途には
リチウムイオン二次電池
絞られるように
見えるわね。
じゃあなんでリチウムイオン二次電池
だけにならないんですか?
リチウムは地球上に
存在する
少ないんじゃなかったか?
そうですね。
以前聞いたことがあるのですが
すべての自動車
リチウムイオン二次電池
使用されたと仮定すると
地球上からリチウムが無くなる
という計算結果もあるそうですね。
なるほど・・・!
それは困りますね!
ふふふ、そうね。
こっちの図2
見てもらえるかしら。 【図2】
これは・・・
地球上に存在する資源
を示したグラフですか?
そうなの。
新しい電池開発
検討されている資源
地球上に存在する濃度
示したグラフなの。
これ全部電池に使用する
素材なんですか?
こんなにいっぱい
種類があるんですね!
そうね。
でも、これも
一部だけで
他にもまだまだあるの。
たしかに!
とかニッケルとかも
ここに記してないけど
そうですよね!
ふふふ、
今回は、リチウム
比較したかったから
はぶかせてもらったの。
図2の一番右に
白金(Pt)があるのが
わかるかしら。 【図2】
こうして見ると白金(Pt)って
本当に少ないですね!
これは何に使用されて
いるんでしたっけ?
燃料電池
使用されてるの。
でも、となりにある
リチウム(Li)
比べてみると
リチウムの方が
およそ4000倍多く
存在するの。 【図2】
こんなにあるように見えても
リチウム自動車に使っちゃうと
なくなっちゃうんですか・・・
ふふふ、
そこで、今
リチウムの代わりに
なるものとして
注目されている
資源があるの。
ナトリウム(Na)ですか。
そう、さすがめかちゃん。
その、リチウム
代わりになると
期待されている
ナトリウム
リチウムのさらに
4000倍存在するの。 【図2】
ほぇー!
途方も無い数字ですね!
でもでも、さっきの図1では
ナトリウム電池
どのあたりになるんですか?
ただ、たくさんあっても
他に長所がなかったら
どうしようもないですよね。
ふふふ、その通りね。
ナトリウムイオン二次電池
理論的に算出された
結果によると
この辺りになるかしらね。 【図3】
リチウムイオン二次電池
かなり近いですね!
これだけ近ければ
将来リチウムイオン二次電池ではなく
ナトリウムイオン二次電池
主流になるってことですか?
ふふふ、それがね
そんなことも無いの。
図3を見てもらっても
解るように
エネルギー密度で考えても
出力密度で考えても
リチウムイオン二次電池より
ナトリウムイオン二次電池
劣っているでしょ? 【図3】
そうだな。
多少劣ってるな。
こうみていくと
軽量電池という観点でも
ナトリウムイオン二次電池
リチウムイオン二次電池
かなわないですしね。
開発競争の場では
明らかに劣っているという
結果が得られるものに対して
新しく積極的に研究開発
着手することは
ほとんどないの。
そうなんですか・・・
確かに理屈では解りますけど・・・
目の前ではなく
もっと先の未来を見れば
このままリチウム
大量に使い続けて行くことも
無理なんですよね?
なんか、せっかく
未来の電池の発展の糸口
目の前にありそうなのに
もどかしいような
残念な様な・・・
ふふふ、そうね。
でも、まだ
ナトリウムイオン二次電池
今後必要とされる
かもしれない
可能性は残っているの。
そうなんですか!?
たしかに。
ナトリウムの存在量が
多いってことに着目すると
コストが大幅に下がる
可能性はあるな。
ふふふ、そうね。
でも続きは
また今度。
え!
もう終わりですか!
なんか用事でもあるのか?
ごめんなさいね。
今日、これから実家で
父の会社関連の人達と
お食事会があるの。
またか。
ほぇー!
さ、さすが金持ち・・・!
なんかすごそうな感じ・・・
住んでる世界が
違いますね・・・
ふふふ、
そんなこと
ないのよ。
今日も文子先輩
質問攻めにするから
あまり進まなかった・・・
えー!
そんな!
私のせい・・・?!
こら。
けんかすんな。
あたしはわりと
文子の質問のおかげで
有意義だったけど?
理佳さん・・・!
大好きです・・・!
やめろ。
まぁ・・・
確かに参考にはなりましたし・・・
レポートの方向性は
決められそうなので
別に良いですけど・・・
それじゃ
また次回に。
はーい!
2014年6月15日:参考文献

1) 工藤徹一、日比野光宏、本間格、「リチウムイオン電池の科学」、内田老鶴圃(2010)
2) J.S.Thorne,J.R.Dahn,M.N.Obrovac,and R.A.Dunlap;J. Power Sources,216,139(2012)
3) Yangang Wang,Bo Li,Chengli Zhang,Hong Tao,Shifei Kang,Sheng Jiang, and Xi Li, J. Power Sources,219,89(2012)
4) S.Komaba,T.Ishikawa,N.Yabuuchi,W.Murata,A.Ito,and Y.Ohsawa,Applied Materials & Interfaces,3,4165(2011)
5) L.T.Lam,and R.Louey,J.Power Sources 158,1140(2006)
6) G.H.Newman and L.P.Klemann,J.Electrochem.Soc.,127,2097(1980)
7) 岡田重人、原聡、土井貴之、山本準一、硫黄と工業,62(9),131(2009)
8) S.Okada,H.Arai,and J.Yamaki,Denki Kagaku(Electrochemistry),65,802(1997)
9) A.Nadiri,C.Delmas,R.Salmon,and P.Hagenmuller,Rev.Chim.Miner.,21,537(1984)
10) P.G.Bruce and G.Miln,J.Solid State Chem.,89,162(1990)
11) Y.Uebo,T.Kiyabu,S.Okada,and J.Yamaki,The Reports of Institute of Advanced Material Study,16,1(2002)
12) C.Delmas,F.Cherkaoui,A.Nadiri,and P.Hagenmuller,Mater.Res.Bull.,22,631(1987)
13) T.Shiratsuchi,S.Okada,J.Yamaki,and T.NishidaJ.Power Sources,159,268(2006)
14) I.Gocheva,M.Nishijima,T.Doi,S.Okuda, and J.Yamaki J.Power Sources,187,247(2009)
15) T.B.Kim,J.W.Choi,H.S.Ryu,G.B.Cho,K.W.Kim,J.H.Ahn,K.K.Cho,and H.J.Ahn,J.Power Sources,174,1275(2007)
16) 第53回電池討論会(2012)福岡

2014年6月15日:関連ページ

【関連対話】
未来の車と社会 001:「車」と「みらい技術」
– – – – – – – – – –
未来の車と社会 003:車に使われている電池の種類と違い
未来の車と社会 004:二次電池の未来と問題(現在の記事です)
未来の車と社会 005:二次電池の過去と未来と問題

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「東京モーターショー2013から探る未来の車」のレポート一覧

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