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活動日誌

活動日誌について

今話題の科学情報やイベント、技術などについての話し合いや考察を、レポート形式でまとめて配信しています!学生ならではの視点でまとめているので、理系の知識が少ない人にも、解りやすく解説出来るように日々つとめておりますので、お気軽にご意見・ご感想を頂けますと幸いです!

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二次電池の過去と未来と問題

未来の車と社会

今日は、二次電池のコストに関する話をする前に、二次電池の変遷をざっくりと確認をしてみました。それによって、なぜ今の様な二次電池の開発状況になっているのかが少し見えてきました!(新高文子)

対話

report of

はー・・・・
珍しい!
理佳さんがため息なんて!
いやぁ、な
増税が結構響くなー・・・と
増税
さほど気にはしてなかったんだけど
やっぱりじわじわお財布に響くなぁと・・・
た、確かに・・・
最近漫画買いすぎて
お財布がすっからかん・・・
文子先輩の場合
それは増税前増税後
関係ないじゃないですか。
いかに今月、もろもろのコスト
削減してやりくりするか・・・
こうなったらお昼をぬいて
ダイエット貯蓄一石二鳥!
なんですぐそういう目先のことで
済ませようとするんですか・・・
もっと計画的に生きて下さいよ。
それに、お昼抜くと
逆に太るんですよ。
え!!
そんな!!
それより自分は
早く先日の続きの話を
したいんですけど。
ふふふ、そういえば
こっちもコストの話ね。
早速先日の話の続きですが
コストの観点で、未来の
二次電池の方向性を整理すると
どうなるんですか?
やっぱり性能も大事ですけど
未来のことを見通すと
コストも重要ですよね。
もちろん、そうね。
現在の技術をふまえて
コストの面で
未来を見通した
図があるの。
【図4】
この図4
どうやってみるんだ?
塗りつぶされている
楕円で示されている範囲が
現在の二次電池
おおよその
価格を示してるの
【図4】
じゃあ、点線の楕円
未来の予想ってことですか?
なるほど。
そうね。
横軸は、1kg当たりに
蓄えられるエネルギー
を示しているの。
そして、縦軸
エネルギー単位ごとの値段
を示しているの。
むむむ・・・?
たとえば
リチウムイオン二次電池
みてもらえるかしら?
【図4】
これは横軸でみると
1kgあたり100Wh蓄えられる
という位置付近にあるの。
そして縦軸で見ると
1Whあたり約1000円
の付近にあるの。
ふむふむ・・・
そうすると
リチウムイオン二次電池
1kgあたり100Wh
1Whあたり1000円だから
1kgあたりの値段は・・・
【図4】
なるほど!
1000円×100
10万円!!
そうね。
ニッケル水素充電池
そうやってみていくと
だいたい1kg当たりの値段は
10万円付近になるのね。
解りやすく
1kgあたりの
10,5,2,1万円
が引かれているの。
【図4】
なるほど。
1kgあたりの値段だけで見れば
リチウムイオン二次電池
ニッケル水素充電池
同じくらいですけど
エネルギー密度を見てみると
リチウムイオン二次電池のほうが高いから
重量あたりのコストパフォーマンスで言えば
リチウムイオン二次電池のほうが
優れているといえるのですね。
何となく解った気がします・・・!
あれ?
このナトリウムイオン二次電池
左にある、ナトリウム硫黄電池
って、なんですか?
【図4】
これはたしか・・・・
1980年代頃からだと思うのだけれど。
低コスト電池の本命と言われて
国策として
研究が進められていたの。
一応、ナトリウムの安さ
目を付けてるんだな。
国策・・・って
NEDO関係ですか?
めかちゃん
よく知ってるのね。
ねど・・・?って
なんですか??
NEDOは略称で
新エネルギー・産業技術総合開発機構
日本エネルギー環境分野
産業技術の一端を担う
独立行政法人なの。
そんなのがあるんですか!
こういった新事業
国策として立案して
事業化の見通しがたったら
民間企業に開発を進めさせる
形をとることがあるの。
確か、この
ナトリウム硫黄電池
現在はNEDOから
民間企業が引き継いで
開発を進めているの。
そうなのですか!
あれ・・・?
でも先日の話だと
劣っていると解っていること
進んで着手投資をすることは
ほとんどないって・・・・
なんで国を挙げて
ここに投資してるんですか?
矛盾する様な・・・
ふふふ、そうね。
ちょっと混乱させて
しまったかしらね。
まず、二次電池の歴史
少しお話しする必要が
あるかもしれないわね。
確かに。
私もすこし整理したいです。
じゃあ今日は
そのお話にしましょう。
この図4
詳しいお話は
また次回に。
え!
また次回ですか!?
ちょっと!めかちゃん
こっちにらまないでよ!
今回はめかちゃん
聞きたいって言ったじゃん!
・・・むぅ。
よろしく御願いします・・・
ふふふ、先日少し
お話ししたと思うのだけど
鉛蓄電池古くから
開発研究されていた
蓄電池なの。
確かにこの間言ってたな。
その次に
ニッカド電池が開発されるの
先日にもあった電池ですね!
確かこの
ここにはニカドってかいてありますけど
同じですよね!
【図1】
そうね。
しばらくそのニッカド電池
二次電池の主流になっていくの。
そしてその後
国策ナトリウム硫黄電池
研究が始まって
それと同時期くらいの
1990年
ニッケル水素蓄電池
誕生したの。
あれ??じゃあー・・・
リチウムイオン二次電池より
既にナトリウムが注目されてた
ってことですか!?
そうね。
でも、この段階では
ナトリウム硫黄電池
と、しての研究開発しか
されていなかったの。
そしてその研究が
進められている間
ポリアニリンを用いて
リチウムイオン二次電池
ブリヂストンで開発されるの。
なるほどな。どんどんより良い
性能二次電池が開発されりゃ
みんなそっちを開拓するのに
懸命になりそうだな。
登場当初は、まだまだ
リチウムイオン二次電池
性能は悪かったのだけど
こぞって開発競争が行われ
2000年ごろ、現在のような
この図1図4に示されている
性能になったの。
【図1】
【図4】
これは確か
ソニーの開発ね。
大手企業がこぞって
開発競争してたのですね。
ナトリウム
注目されなくなりますよね。
あれ?でも2000年頃ってことは
結構最近の技術なのですね!
そうね。
そして、そんな中
ナトリウムイオン二次電池
改めて注目した研究者がいたの。
すごいですね!!
世の中の流れがリチウムイオン二次電池
研究が盛んなところに
あえてナトリウムイオン二次電池
注目するなんて!
ふふふ、そうね。
確か東京理科大の方だったかしら。
でもなー、こうして振り返ってみると
リチウムイオン二次電池
それだけ勢いに乗っちゃえば
どんどん開発も進むだろうし。
逆にその勢いに比べちゃうと
明らかに性能の限界が劣る
解っちゃった上で
ナトリウムイオン二次電池
手を出すのはおっくうだよな。
そうですね。
やっぱり研究とか開発とかは
前例世の中の風潮とかも
大きく影響しますよね。
えー、でもやっぱりー
リチウム地球上の存在量とか
コストとか、のことをみれば
目の前のことに飛びつくのも
どうかと思いますけどねー。
もっとみんなよく考えましょうよー。
一番目先のことにばかり飛びつく
文子先輩が言っても
全く説得力無いですけどね。
同感。
むむむ・・・
あ!
あとあと、図4の一番左下の
レドックスフロー電池
っていうのも
初めて聞いたんですけど
これはなんですか??
【図4】
話そらしたな。
これは確かアメリカ
開発しているやつですよね。
じゃあこれからの二次電池
ってことなんだ!
さすが、めかちゃん
究極に安い二次電池として
アメリカ研究開発
進められているの。
確か日本でも
どこかの企業研究開発
携わってたと思うのだけど・・・
じゃあ、今後この電池
日本でもたくさん
研究開発されていくんですか?
それがね、日本では
普及しないのではないか
と、言われてるの。
なんでですか??
他にも理由は
あるのだけれど
まず場所をとるの。
なるほど。
アメリカみたいな広い土地では
大きさは問題なさそうだけど
日本みたいな狭くて小さい土地では
エネルギー効率の悪いものなんて
需要なさそうだよな。
ふふふ、そうかもしれないわね。
ただ、用途にもよるの。
例えば、風力発電の場所は
土地も広いでしょ?
コストが削減出来るなら
レドックスフロー電池
使った方が良いかも
しれないわね。
なるほど。
そういう用途が明確だから
研究開発が進められているのですね。
とりあえず
二次電池年表みたいな
を作ってみましたよ!
二次電池のざっくり年表
ずいぶんざっくりだな。
智恵先輩の繊細な図と
大違いですね。
いーじゃん別に!
わたしの覚え書きだもん!
ふふふ、でもありがとう。
で残しておくと
解りやすいかもしれないわね。
じゃあ今日はこの辺にしましょうか。
今日のポイントは
二次電池の変遷ですね!
そして目先のことにとらわれないこと!
そこかよ。
でも、確かにそうですね。
文子先輩は、もっと計画立てて
生きるべきです。
ふぁ・・・!
そうだな、まず部屋に散乱してる
漫画でも、売ったらどうだ?
そうすれば
お部屋掃除と、漫画を売るとで
運動出来て、お金も入る。
ダイエットに、貯蓄
ふふふ、
一石二鳥、ね。
うー・・・・。
2014年6月15日:参考文献

1) 工藤徹一、日比野光宏、本間格、「リチウムイオン電池の科学」、内田老鶴圃(2010)
2) J.S.Thorne,J.R.Dahn,M.N.Obrovac,and R.A.Dunlap;J. Power Sources,216,139(2012)
3) Yangang Wang,Bo Li,Chengli Zhang,Hong Tao,Shifei Kang,Sheng Jiang, and Xi Li, J. Power Sources,219,89(2012)
4) S.Komaba,T.Ishikawa,N.Yabuuchi,W.Murata,A.Ito,and Y.Ohsawa,Applied Materials & Interfaces,3,4165(2011)
5) L.T.Lam,and R.Louey,J.Power Sources 158,1140(2006)
6) G.H.Newman and L.P.Klemann,J.Electrochem.Soc.,127,2097(1980)
7) 岡田重人、原聡、土井貴之、山本準一、硫黄と工業,62(9),131(2009)
8) S.Okada,H.Arai,and J.Yamaki,Denki Kagaku(Electrochemistry),65,802(1997)
9) A.Nadiri,C.Delmas,R.Salmon,and P.Hagenmuller,Rev.Chim.Miner.,21,537(1984)
10) P.G.Bruce and G.Miln,J.Solid State Chem.,89,162(1990)
11) Y.Uebo,T.Kiyabu,S.Okada,and J.Yamaki,The Reports of Institute of Advanced Material Study,16,1(2002)
12) C.Delmas,F.Cherkaoui,A.Nadiri,and P.Hagenmuller,Mater.Res.Bull.,22,631(1987)
13) T.Shiratsuchi,S.Okada,J.Yamaki,and T.NishidaJ.Power Sources,159,268(2006)
14) I.Gocheva,M.Nishijima,T.Doi,S.Okuda, and J.Yamaki J.Power Sources,187,247(2009)
15) T.B.Kim,J.W.Choi,H.S.Ryu,G.B.Cho,K.W.Kim,J.H.Ahn,K.K.Cho,and H.J.Ahn,J.Power Sources,174,1275(2007)
16) 第53回電池討論会(2012)福岡

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